
お宿:Beehive Hostel Osaka(ビーハイブホステル大阪)
お名前:中江さん TAKA and HIRO ご夫婦
開業:2015年9月
お住い:大阪府
Beehive Hostel Osakaの中江さんに宿の経営についてお聞きしてきました。(ご夫婦にお答えいただきましたが、編集上ひとつのお答えにまとめました。)
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夫婦でBeehive Hostel Osakaをオープンさせるまで
Q:ご夫婦で経営されてるんですか?
最初は夫婦でやってたんですけど、ちょうど開業と同じタイミングで子供が生まれたりして、「二人で回すにはしんどいな」ってなってきて、スタッフの方を今は合計4人から5人の状態でやってます。
Q:スタッフ4人で回すのってしんどくないですか?
僕らが入ってる時間がけっこう長いです。ドミが少なく連泊が多いので他のゲストハウスみたいに常に忙しいってわけではないので、入れ替わりの多いときに入ってもらってるって形です。
Q:ご出身はどちらですか?
僕神戸出身なんです、15歳まで。(その後)15年くらい高校大学社会人と東京にいて、転職で大阪に来て、「やっぱり関西の方がええな」と思って。3年くらい海外行って。
Q:元々何をやられてたんですか?
大学出た後、数年は不動産の開発を、直近はサラリーマンでメーカーの財務経理やってました。その際に香港に駐在してたんです。途中から結婚して香港で合流して一緒に住んでて、僕がすごい旅が好きでいずれ(宿を)やりたいなって思ってたんです。香港の生活は良かったんですけど仕事がきつくなった時に仕事やめよっかなってなった時に始めてみよっかなって。その時に香港の友達がみんな大阪行っても泊まる所がないっていうのを聞いてましたし、中華圏の人達が若くして起業する人が多かったのでそれにも影響されたんです。
妻が台湾に長くいたりとかして中国語ができるっていうのもあったんでできるんじゃないかなって。
二人で(チカラを)合わせればなんとかなるんじゃないかなって。
Q:ここ( Beehive Hostel Osaka )はいつごろオープンしたんでしたっけ?
2015年の9月なんで2年半前くらいですね。半年くらい前に帰って(帰国して)きて。もう見つかったので(会社を)「やめよう」って。物件見つけて会社辞めて帰国して半年くらい準備かけてオープンしました。
Q:どうやって物件をさがされたんですか?
ちょくちょく帰り(帰国し)ながら僕だけじゃなくって妻も足を使って。空いてる物件があってたまたま立て看板があってそれに直接連絡して。
考えたのが夫婦経営の宿って小さいのが多いと思うんですけど、高い稼働率がないとそれだけではなかなかご飯食べれるのは難しいのではないかなと。それよりは多少大きなものでそれだけで採算が回るような、そして立地の良さもすごく重要かなと考えて探してました。
Q:リノベーションは自分でやられたんですか?
ほとんどのゲストハウスの方って賃貸だと思うんですけど、実は僕購入しまして。購入したんで、お金も底になって、解体の見積もりとかびっくりするほど高かったので、ちょっとづつコツコツ、全部じゃないけど解体なんかはほとんど自分で。
Q:オープン前とオープンしてからのギャップとかは?
トラブルで言うと思ってたほど全然なくて。この2年半で1回だけ台湾人のおばちゃんがビール飲みすぎて廊下で寝てたっていうのくらいですね。
集客でいうと思ってたより入ったって感じですかね。最初見てた稼働率よりも遥かに予想を越えて良かった。
せっかく「二人で協力してやろう」って言ってたのにいざ始めてみたら予想以上に忙しくて、子供もいたんで(夫婦)ケンカばっかり。
他の方って別のところで修行したりとか働かれて始める人が多いじゃないですか。僕らそういうのが全くないんで想像つかなかったんですよね。「日々の清掃ってこんなに大変なんだ」とか「こんな問合せがいっぱい来るんだ」とか。精神的に耐性が全然付いてなかった。
Q:オープンする前にやっとけば良かったということは何ですか?
お客としてでも色んなところを泊まり歩いてればよかったなと思って。
オペレーションの面でもわかんないところが多すぎて、オープン当初は実際営業しながら、夜は近くの宿に泊まりに行って聞いて勉強してました。
厳しい競争の中での生き残るゲストハウス・ホステル
Q:今回募集してどれくらいこられました?
連絡だけだったら20人ぐらいは。売り手市場の業界の難しい中で、語学堪能な方が予想以上にスゴい方がいっぱい来ました。
Q:今回「韓国語中国語できる人募集」ってタイトルにも入れてますがどうですか?
「英語もできますけど韓国語中国語の方ができるんです。」っていう方がスゴい多かったです。一年くらい前も「中国語できる人募集」って他の宿の方と違った募集の仕方したら台湾の方とか留学経験あった方とかそういうニーズがやっぱりあって。
Q:実際中国語や韓国語が堪能な方に入ってもらってどうですか?
僕ら語学の面とかあんま得意でないのに始めてるんで、さっそくいろいろ助けてもらってます。
今回韓国語ができる方に入っていただいたんですけど、韓国人が質問してくる頻度がめっちゃ増えました。
韓国とか中華圏の人って日本人と同じでその国の言葉しかできない方が多いんで、できるとやっぱりすごい安心感を得れる。レビューにも「中国語が通じた」って書いてくれる。欧米人のバックパッカーのように旅の上級者じゃないんで。
英語で募集すると他のゲストハウスさんも英語で募集してるんでバッティングしちゃうなと思って違う募集の仕方をしてます。
実際のところ英語圏方よりも中華圏のお客さんが多いので。
Q:お客さんは韓国中華圏の人が多いんですかね?
7割位ですかね。
日本人はほんと少なくて5%くらいですね。国内サイトに出してないんです。日本人の方は土曜日一泊だけが多くて先に日本人埋まっちゃうと前後が埋まりにくいんで。ベッド数が100とか多ければいいんでしょうけど、うちは10部屋30(床)なんで。
Q:イベントとかやってます?
本当は定期的にやりたいんですけど、今は不定期で奥さんが台湾に長くいて好きっていうのもあって台湾にまつわるイベントとかやってます。台湾料理を作ったりですね。
台湾以外ですと、英語と中国語の字幕付きの落語をここでやってもらったり。
これだけゲストハウスが増えてきて、長く残るためには泊まる人だけでなく地域の人にも支持されてる宿を目指したい。
最近この辺は衰退してる卸業が多くて古い会社(ビル)が潰れてマンションに建て変わってるって感じで、そこらじゅう工事ばっかり。
自治会がないくらい近隣づきあいが薄いんですけど、別の業種の飲食とかとつながったり、空堀エリアとつながったり、提携した着物屋さんの店の人がわざわざここに来て着物体験してくれて、そういった連携も少しづつ増やしていって、泊まるだけでなくこの辺を好きになってもらいたいっていうのがある。
お客さんだけのたこ焼きパーティとかはやってないです。心斎橋に歩いていけちゃうんで戻りがすごい遅いんです。今までやったイベントでも参加者はどっちかというと宿泊者よりも外部の方のほうが割合的には多いんですね。土曜日曜の昼間にやるって感じ。
ここ( Beehive Hostel Osaka )で外国の人と交流して偏見がなくなるとか、ゲストハウスってこういうスペースなんだっていうのを知ってもらう。
Q:今後の展開は?
宿をたくさん増やすつもりはなくて、今のここ(Beehive Hostel Osaka)を細く長く来てるお客さんの満足度を上げたい。増やすとしてもここから見える所で一戸建ての一棟貸しとかは面白いかな。
Q:これからゲストハウスを個人でやりたい方に何かアドバイスはありますか?
「(ゲストハウス経営)やりたいんです」ってよく来られるんですけど、僕の話聞くだけよりも、たくさん(の宿に)泊まるほうがよっぽど勉強になるような気がしますね。
これだけ(宿が)増えると、地価も上がってますんで個人で参入って難しいですよね。三年前でよかったなと。
ありがとうございました。
とても安心を感じさせてくれるご夫婦で「本当に夫婦喧嘩なんかするのかな?」と思うくらい、やわらか~い雰囲気で頼りがいのある感じのお二人でした。
オープン前後は場所が決まって見切り発車的なスタートが否めない感じで、後手後手なイメージですが現在はかなり腰を据えて堅実に考えられてるなという印象でした。
今後、地域を交えた構想を実現させていかれるのが楽しみです。